上質のショルダーバッグ

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4年生、8年生、12年生を修了する段階で、英語、数学、科学、歴史などの科目の学力証明を行う、つまりテストを行うことを打ち出し、さらに2000年までにアメリカの科学と数学の学力達成度を世界一にするという目標を掲げた。 政権がCに移ると、さらにこの姿勢は徹底したものになる。
国家の教育目標に父母の参加を盛り込み、幼児教育への投資を最優先事項にした。 97年(平成9年)の年頭教書では、アメリヶ国民が世界最高水準の教育を受けられるようにすることが、今後4年間の最優先事項であると明言した。
そして、「最初の先生は親」奨学金まで用意して、家庭教育の強化を推進し、小学校や中学校に卒業試験を行う方向性を打ち出した。 これによって、98年(平成10年)には大学入学判定に用いられるSATの数学の平均点は、受験生が大幅に増加しているのに過去35年の最高点となった。
Cは、それでも手綱をゆるめず、99年(平成11年)の年頭教室白では、「教科内容を修得しないまま上の学年に上がることを許しておくわけにはいかない」とエスカレーター式進級の中止を打ち出している。 試験重視、家庭学習重視が教育を立て直したのはアメリカだけではない。
イギリスも1988年(昭和63年)から教育改革法に基づいて、全国共通のナショナルカリキュラムが導入され、それに基づく全国共通テスト(7、11、14歳の子供が対象)などはできるだけ客観的なペーパーテストが採用されることになった。 この国でも数学教育は重視され、日本では高校課程から削除された微分方程式が高校二年生のカリキュラムに組み込まれている。

さらに97年に政権を奪取したB首相は、労働党の最優先政策を「教育、教育、そして教育」と答え、さらなる学力向上政策を打ち出している。 アメリカほどはっきりした数字は出ていないが、現在学力水準が向上しているというニュースが相次いでいるという。
実際、理数教育の充実で国力を立て直した国は枚挙に暇がない。 ソ連崩壊後、北欧諸国はこぞって、教育重視、特に理数教育重視を打ち出した。
結果的に、スウェーデンやフィンランドは、アメリカ以上のインターネットやモバイルの普及率を誇るIT(情報技術)立国になっているし、ノルウェーも1人当たりのGDPではアメリカ以上になっている。 先進国以外でも、インドなどは、数学を中心とした徹底した詰め込み教育を行い、いつのまにか世界でも有数のソフト開発国になっている。
こうした国々にははっきりした共通点がある。 いくら高度技術の時代になっても、いくら情報革命の時代になっても、まず国民に必要なのは基礎学力であるという強い信念である。
そして、これを身につけさせるためには、きちんと試験を行い、きちんと家庭で学習させるべきなのだという当たり前の方法論を用いていることだ。 もちろん、これが来るべき知識社会に向けての正しい処方菱であるという確証はない。
しかし、二つのことは確実にいえる。 一つは、これらの基礎学力重視、理数教育重視、試験重視、家庭学習重視の国々は、20世紀の末から21世紀の初頭にかけて、特にITなどの先端産業の分野で勝ち組にいること。
もう一つは、彼らと異なる方法論で国民教育を行うというのなら、もちろん大成功の確率はゼロではないが、日本だけが取り残されてしまうという大きなリスクを負う覚悟ができていないといけないことだ。 私が教育基本法を変える必要があると考えるのは、このような国際的な背景の中で、このままでは日本の将来が危ないと考えると同時に、現状の日本の教育が行き詰まっていると考えているからである。
もちろん、官邸が私的な諮問機関として教育改革国民会議をつくったり、あるいは2001年(平成13年)春の国会を教育国会と位置付けたり(自らの汚職でこの機会を逸するようだと何をかんやであるが)するように、政府も含めて現状の教育を変えねばという意識は強いが、基本的には少年犯罪の増加、青少年の自殺、そして教育現場の荒れ、場合によっては従来の試験学力重視の教育への反省などが主なテーマであるように見受けられる。 もちろん、私もこのような事態は憂慮すべきと考えているが、少なくとも統計上は少年犯罪、特に話題になっている少年による殺人事件や、あるいは少年の自殺などは目に見えて増えているわけではない。

少なくとも過去と比べて問題にするほど悪い数字ではない。 一方、世界が知識社会に向かうというコンセンサスが得られ、多くの国がそれに向かって走り出し、すでに実績を上げている国がある中で、日本では深刻な学力低下が起こって。
私は、この事態に対応するためには、もはや教育基本法を変えるような大なたを振るう以外に対処のしょうがないと考えているわけである。 為政者やマスコミですら学力低下をさしたる問題にせず、それ以外の子供の問題を深刻視している以上、ここではある程度の共有できる認識を持ってもらうために、多少子供の学力低下について報告してみたい。
その前に一つだけ伝えておきたいのは、このような学力低下を報告しようにも、文部省(現・文部科学省)は、『R』2000年3〜4月号で、A部大臣(現・文部科学大臣)が明言しているように、これまでのカリキュラムが良かったか悪かったかを評価できるような学力調査を一切行っていない(1966年〈昭和41年〉までは文部省〈現・文部科学省〉の学力テストが施行されていた)。 子供の学力状態がどうなっているのかを判断する材料すら文部省(現・文部科学省)は持ち合わせていないのである。
こういう役所に、日本の子供の教育を管理させることに私は戦懐すら覚える。 私の入手し得る限り、最大かつ最も客観的なデータベースは日本最大手の予備校、K塾のクリニックテストである。
このテストは、高校を卒業しK塾に入ってきた生徒が4月初旬に受けるもので、95年(平成7年)の生徒(約4万千人)と、99年(平成11年)の生徒(約2万9千人)が共通に受けた問題での比較がなされている。 簡略のために、理系生徒の数学の点数を比較しよう。
下位に至っては、95年の半分近い22.5点しか取れなくなっているのだ。 しかも、これは受験で数学を必要とする理系の生徒を対象にしたものである。
大学受験をしない子供や数学受験を必要としない文系の生徒はさらに悲惨な状況であろう。 もちろん、これは数学に限った話ではないはずだ。

また、この学力低下は大学受験生に限ったものではなきそうである。 私も最近になって、方々の大手学習塾(多くは中学受験生、高校受験生を対象にする)に頼まれて講演をするのだが、「自分の塾における生徒の学力低下が気になっていたが、他の子はもっと勉強しなくなっているらしく、以前なら信じられないような成績の子が、名門中学、名門高校に入る」というような趣旨の話をよく聞かされる。
こういう話はデータ化されていないのが残念だが、現状では小・中・高のすべての生徒の間で深刻な学力低下が起こっているのは間違いないだろう。 この学力低下であるが、原因は意外に単純なところにあると私は見ている。
要するに子供が勉強しなくなっているのである。

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